「黒い殺人犯」2016/7/12

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Dream

 何らかの物語の回想だろうか。私は動くことも喋ることもできない。

 真っ黒な仮面(デザインは特撮ヒーローもののそれに似ている)に真っ黒な服をまとった男が走っている。どこかの建物の中だろうか。コンクリートで囲まれた、四角い真っ直ぐな道だ。出口は遠すぎて見えない。

 その男は、ある一人の人間を殺すためにこの道を走っているらしい。猛毒のヘビを使って毒殺しようとしているようだ。頭の中にイメージが流れこむ。真っ黒なヘビ、噛まれて泡を吹いて倒れる人、阿鼻叫喚……。

 突然、真っ直ぐだった道がねじれ始めた。道の先が何度も回転して見えたかと思うと、今度は男の体もねじれ始めた。身体が伸びて渦を巻くと、壁と混ざり合う。鼠色と黒色のコントラスト。何を見ているのか自分でもよくわからなかった。

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 場面は変わって、ヨーロッパの貴族風の家にいた。まさに貴族といった感じの出で立ちをした好青年が誰かと揉め事を起こしている。遺産相続、という言葉が頭に浮かんだ。

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 コンクリートで囲まれた、四角い真っ直ぐな道。先ほどと同じ男ともう一人、全身真っ黒で怪物のようなフォルムをした何者かがいる。

 仮面の男は怪物の身体を掴むと、全力で引っ張り始めた。すると怪物の身体が、背骨を中心に真っ二つにちぎれ始める。怪物はとてつもない形相で何かを叫んでいる。仮面の男は何も言わず引っ張り続ける。

 粘土のようにベトッとした、すっきりしないちぎれ方だった。男は怪物の半身を思い切り地面に叩きつけると、満足したように笑っていた。

Real

 母があまり外に出たがらないのは、私が車を持っていないせいだと他人に言われる。

「君がもっと家族を支えてやらなければ」

 義務。責任。そんなものを大げさに掲げたところで、病気が治るわけではない。世の中の人間全てが思いやりを持っているわけではない。環境次第で本性はいくらでも変わってしまう。

 週末に部屋の整理をしようと思う。使わないものは仕舞って、なるべく過ごしやすく、機能的に。そんなことを考えていると、少しだけ気分が楽になった。

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