Dream
真っ暗だった視界から、ブゥゥゥン……という音とともに、眼前一杯にモニター画面が表示される。場所はよくわからなかったが、ここは多分自分の部屋だろう。
どうやら一人でゲームをやっているらしい。横スクロールの、%ゲージを貯めて相手をふっとばす某対戦アクションゲーム。私の使用キャラクターはピンクのお姫様らしい。相手は茶色のゴリラと、名前も姿も曖昧でよくわからないキャラ2人。計4人である。
バトルが始まると、私は段差の上からチマチマと遠距離攻撃を仕掛ける。他のキャラは肉弾戦をやっているようだ。
こういう戦い方が(その時の私には)性に合っているらしく、画面の前で何かしらの暴言を吐きながら、一心不乱にカブの形をした何かを投げつける。
それに気付いたのか、茶色ゴリラがこちらに接近。何故か私のキャラは移動ができない。盛大にキックでふっとばされる。
ぐったりしている私のキャラに、茶色ゴリラが掴みかかる。投げ攻撃だろう。
私のキャラを背中にしょったそいつは、突然画面を凝視している私の方を向いた。軽いジャンプで画面のど真ん中までやってくると、私のキャラを思い切りこちらに投げつけてきた。
窓が割れるような音がして、視界全体にヒビが入る。暗転。そのままバラバラと崩れ落ちていった。
Real
今日は朝・昼ともに何も口にしなかった。窓の外から聴こえてくる選挙演説がうるさい。
何かをしようという気が起こらなかった。やったことといえば、頂いたCDを耳に通し、音源の確認を行っただけ。
前にも聴いた話だったのだが、母は人と会話をしている時、突然意識が遠のくことがあるらしい。眠る時のように少しづつ意識が薄れていって、はっと目が覚める。相手の会話が全く耳に入っていない。相手側は気づいていないのか、まだ喋っている。ばつが悪いのでその場を抜けて帰る。そういうことが、人生で何度かあったのだとか。
私も同じような経験を年内にしたことがある。母のように意識が少しづつ遠ざかるという感じではなく、あるタイミングでプツッと切れる。そうしてすぐに元に戻る。何となく会話の内容は思い出せるのだが、その瞬間に座ったり、或いは立って話を聴いているこの場所に違和感を覚える。「私はなぜこんなところで、こんな話を聴いているのだろうか」と思う。そうなると相手方の話の内容なんて入ってこない。
私の場合、そこで帰ったりすると余計にばつが悪いと思うので、わかっているふりをして話の続きを聴いていたりする。ただ細かいところが抜け落ちたりしているらしく、後々「この前言ってただろう」と怒られるタネになる。
そもそも人と交わした会話の内容なんて、寝て起きれば9割9分は忘れている。自分のための必要点しか記憶していない。世間話に興味が無い。
何らかの病気だろうか。