自分のことを誰かに知ってもらおうとしたって
曖昧な自分をひけらかすことなどできない
誰かの応援を枕にして寝てみたところで
それで見る夢にはリアリティのかけらもない
私はどこにもいないのだ
身体の中にも 心の中にも
私の存在を表すものなど
部屋の窓 ドア 棚 引き出し トイレ
開けられるものをすべて開け放ってみても
そこにあるのは空白ばかり
見せかけだけの私の皮が膨らんで
内側に大きな空白を作っているのだ
その空白に
ひどくやせ細った心の形を
当てはめていくさまを想像する時
その時人は本当に
人として受け入れるべき 深く暗い悲しみを知る
そうして全てはあるがまま
流れゆくままに