この感情を、
一体どう説明すればいいのだろう。
想いの紙をちぎってちぎって、
足元にぱらぱらとばらまけば、
多分、こういう気分になれるのかな。
誰も見ようとはしなかったんだ。
机の上を歩くみたいに、
いつも変に目立っていてばかりで。
ペットボトルの飲み口が妙に艶かしくて、
人に褒められた時のようなくすぐったさを、恥ずかしさを、
ずっと感じているんだ。
そこにいる人達は常に細い線で繋がっていて、
お互いがお互いに干渉し合い、
時々柔らかくなりながら暮らしている。
僕はといえばどちらでもない、
何だか不定形な軟体動物になって、
その場をしのいでいたのだけれど。
「空はどうして青いのか」と訊かれて、
「常に冷めているからさ」と答える僕はきっと、
海岸に打ち上げられた魚のように映るのだろう。
周りと違う泳ぎ方をしようとして、
自分がいるべき場所すら見失ってしまったのだろう。
それでも海は海のままであったし、
砂の色が変わっていくなんてことはなかったし、
教科書に書いてあることが嘘になったりはしなかった。
ずうっと同じまま、
飛び跳ねている様を見つめ続けている。
変わらないということは、
変わっていくことよりも、ずっと複雑で、残酷だ。
今日もまた、青い春がくる。
微笑みに照らされた優しさを探しに、
道端で転がる魚を足蹴にして。