瞬間の詩 41~50

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藤とはビー玉である/おはじきである/種を弾き飛ばす/何とも滑稽である/沢山の種がパチパチとぶつかり合っている/机の上には命が広がっている/それを見ている私がいる/命を見下げる私がいる/それは宿命なのだ/藤は心を読んでいる/思った通りに飛んで行く/私とは使役する者のことだ


人とは泣いている生き物のことです。涙を流さずとも、心の奥底では常に泣いています。
私の中は狭すぎて、私だけしか入ることができません。座っているだけで精一杯なのです。誰かのために悲しみを背負えるほどの大きさもありません。
私は自分のためにしか泣くことのできない、弱い人間です。


ちぎられた封蝋を溶かして元に戻すように、僕らは常に誰かの背中を追いかけている。
つまらない見栄を張るためだけに指輪をし、そのうち心までをも汚していくんだ。
もうやめよう、こんなことは。君はただそこにいるだけでいい。僕は帽子であればいい。その優しい肌を、日差しから守るだけで十分だ。


記憶の森をさまよい続けて、過去に打ちのめされてしまう。心の足が張って疲れちゃったよ。
約束なんていつも守らない。虚しくて仕方がなかったんだ。時は同じように流れていってしまうから。
今の自分を悔やんだりはしないけれど……もしも傷付かなかったら、私はどんな風に生きていたのだろう。


私は今一人である。一人ではあるが孤独ではない。孤独ではないがぼっちでもない。
一人とは個人である。個人とは人間における枠組みの中で未来永劫個人のままであるから、つまり私は個人なのである。
一人とはこれから二人三人と増えていくかもしれないが、孤独が増えていくことは絶対にないのだ。


沢山失敗をしてきた。恥ずかしい思いも沢山してきた。でもそれでいい。それが未来の自分を作るのだ。ありきたりだと笑いたい奴は笑えばいい。
うまくいった時はいろんな人が見てくれるように、うまくいかなかった時は誰も私のことなんか見てはいない。
幼きかな、よきかな。もっともっと、若くあれ。


「無名」とは何と幼い響きであろう。そして何と甘美な響きであろう。それはまだ未熟な果実のことだ。これからまた積もっていくであろう雪のことだ。
完成することのないジグソーパズルを1つづつ埋めながら、私たちは今もなお広がり続けている。どのような絵が完成するのか、それは誰にもわからない。


心は常に曖昧で、運と時間と適度なタイミングによって明るくなったり暗くなったりする。
二つのライトを重ねればより明るくなるように、人と時間の組み合わせによって明暗にはムラができる。私達はそのムラの中を漂い続けている。
辛いからといって目を瞑ってはいけない。そこにあるのは闇ばかりだ。


今日こそはね、ちゃんと死のうと思うんだ。そしてアイツを負かしてやろうと思うんだ。世の中逃げたやつが一番強い。戦うやつはただの臆病者なんだ。死に足をすくませて、受け止め続けているやつも同じさ。
死んだやつが一番尊いんだ。向こうに逝けたらばっちり賞賛してくれよ。笑ってやるからさ。


楽しいことが見つからない?何でも気の持ちようじゃないの?
私達は遊んでいるのよ。毎日毎日真面目に、汗水たらして、ね。これは本当よ。誰だって辛いのはキライだもの。
だから、もっと息を吸って。すーはーすーはー、よゆうよゆう。そんな気がしてきたでしょ?
嬉しくてゴメンナサイ!