静寂の街

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静かな目覚めだった。眩しいくらいに。

布団から起き上がって、
足取りもおぼつかないままに歩き、
部屋の窓を開けると、
何もかもが真っ白になっていた。

空は雲に遮られ、行方不明で……。

街灯は、沈黙していた。

これが始まりなのかと、
先の見えない景色に不安を抱きながら、
今この時を生きているということに、
そっと胸を撫で下ろしている。

日常とは、つまりそういうことなのかもしれない。

今日は何をしようか。
開けっ放しの窓から覗く街に、問い掛けている。