不遇の権化、ZOLA

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 こんにちは。前回に引き続きマイナーV3ライブラリの紹介。

 YAMAHAのV3ライブラリ、ZOLAです。具体的にはKYO・YUU・WILの3人の男性ライブラリのセットになります。

 VOCALOID10周年を記念してYAMAHAが制作したライブラリで、企画からイラスト・デモソングまでかなりの著名な方々が参加しているようです。

 しかしその中でも圧倒的な存在感を放つのはやはりキャラクターイラスト。

 FFシリーズのキャラデザインなどで知られる天野喜孝氏が書いたこのビジュアル、あまりにも強烈すぎて(というか癖が強すぎて)、発表された当時はかなり物議を醸したらしいです。ものすごくChika味を感じる。

 こういう味のあるイラストは個人的にめっちゃ好みなのですが、やはり当時のVOCALOID界隈ではあまりウケが良くなかったらしく、結果的にKAITOやがくぽなど他の男性ライブラリと比べるとマイナーになってしまったようです。

 というかYAMAHA組は基本的に、性能は良いのにマーケティングが下手・もしくは失敗したせいでマイナーになってしまったライブラリの集まりです(暴論)。

 ちなみにZOLAの公式サイトでは色んな方々が書いたZOLAのイラストやボイスマテリアルが配布されてたりするので、気になる方は見てみてはいかがでしょうか。

 とにかくこの3人ですが、ボカロでは数少ない男性ライブラリが3つも入っている割にDL版で1万円ちょっとで買えてしまうため、コスパは非常に良いです。

 

KYO

 一番王道かつ使い勝手の良いライブラリ。ストレートで強めなセンター向きの声。ポップスからロックまで広く使える。

 

YUU

 スイートボイス。3人の中で一番声の厚みがあり、KYOほどではないがそこそこ騒がしめの曲もいける。発音にやや癖あり。

 

WIL

 

 アダルティックなウィスパーボイス。メインボーカルよりもコーラスでの出番が多いかも。アンビエントなどの刺さる曲にはめっぽう強い。

 

 とまあ軽く紹介したのですが、ぶっちゃけると3人とも滑舌があまりよろしくない。氷山キヨテルのように致命的とまではいかないものの、予想してた発音とちょっと違ってましたね。

 WILは使うジャンルの都合上まだいいとして、メインのKYOが予想以上に発音が悪く、子音分割しないとまともに使えないのがちょっと残念。YUUはそもそも発音が結構独特で気難しい。まあ全員調声すれば良い話なんですけども。

 男性ボカロではかなり性能の良いがくぽが手持ちにいるので、どうしても比較してしまいます。3人共低音が特に強いというわけでもないので、立場としてはかなり微妙なところ。そう考えると、V5のKenもそこそこいい性能してるんだなあと改めて思ったり。

 とは言え貴重な男性音源が一気に3人も増えたのは嬉しいところ。付属のjob plugin(ZOLA Unison)もそこそこ有能なので、VOCALOIDの中でもコスパだけなら最強クラスかもしれません。これからがくぽや他のボカロのコーラスなどで活躍してもらいましょう。

 

 ということでZOLAの紹介でした。