親指シフト入力で日本語をかみしめる

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 皆さまこんにちは、玄川静夢です。

 今回はキ-ボ-ドの入力方式の一つ、親指シフト入力について。

 知らない人のために簡単に説明すると、親指でのシフト入力を多用し、日本語の「一文字一打鍵」に特化させた、その道の変な人御用達のちょっと特殊な入力方式でございます。

 ※画像はWikipediaから

 両手の親指でシフトバ-の横にある「変換」「無変換」と、それぞれのキ-を組み合わせ、同時打鍵することで直接日本語を入力します。

 この入力法のおもしろいところは、日本語であればどの文字でも、同時押しを含む一打鍵ですべて入力できてしまうところ。

 かな入力よりも指を動かす範囲が少なくて済み、疲れやすい小指などへの負担がかなり軽減、しかもWindowsやMacであれば専用のソフトを無料でインスト-ルするだけで使用できる。

 ロ-マ字入力と比べて、入力速度が圧倒的に上がる(慣れれば、の話ですが)のも魅力です。

 しかしこの入力法、割と重大な欠点があります。

 PCを使用している方の9割が、この入力法を知らないということ。

 キ-ボ-ド操作において、ロ-マ字入力が当たり前のように使用されている現状、親指シフトなんて誰も知らないし、誰も使わない。「『こ』と『さ』ってよく打ち間違えるよね」なんてニッチな会話なんて絶対できませんし、専用のキ-ボ-ドを準備するのはおっくうだし、特殊な入力法だから他の人とPCの共有ができなかったり、「おいこのPC壊れてるぞ!」と言われたりします(笑)。

 他の人がさわれない。これ結構重要なことだと思うんです。

 かく言う私も、普段使用しているデスクトップPCはロ-マ字入力です。昔はいちいちキ-ボ-ドをみながら、人差し指と中指だけでちんたら入力をしていまして、その速度の遅いこと遅いこと。タッチタイピングの練習や、タイピングソフトで遊んだりした経験もあり,現在ではタッチタイピングをほぼ完全にマスタ-しています。

 では、親指シフト入力をどこで使っているのかというと、私が愛用しているKING JIMの「pomera DM100」で使用しています。

 ポメラは名前だけでも聞いたことがあるかもしれませんね。メモ帳専用のハ-ドウェア、書くためだけに存在する、これまたその道の変態御用達特化型ガジェット。

 今年の3月にもアップデ-トが行われ、後継機のDM200とともにまだまだ絶賛発売中の本機ですが、なんとこのマシン、親指シフト入力に標準対応しております。キ-配置もある程度それを配慮しており、シフトバ-が短め。普通のキ-ボ-ドで無理矢理入力するより数段使いやすいです。

 元々これを購入した理由は「PCとは別で専用の文章入力ソフトが欲しかったから」であり、当時は親指シフトの存在も知らなかったのですが、ネットで調べなどしているうちに「面白そうだな」という理由で練習を始めたのでした。

 今のところポメラ自体がほぼ「作詞専用マシン」となっているところがあるので、作詞の時以外はほとんど使いません。使わないので上達もあまりしていない気がしますが……。

 実際,現在の私の親指シフト入力のスピ-ドと、ロ-マ字入力のスピ-ドとを比べたら、まだロ-マ字入力の方が速いと思います。

 それでもなぜこの入力法にこだわっているのかというと、「日本語をダイレクトにアウトプットできる」この一点にあるんですよね。

 ロ-マ字入力をマスタ-している現状、そちらを使用した方がするすると文章は書けますし、「こう書こう」と思ってからの動き出しも早いです。

 ただ,それはロ-マ字入力という形のやり方で、言うなればテキストを手軽にコピペするときのごとく、重さがないんです。大事な言葉を書いているのに重さがない。たれながしの小便小僧のごとく、するすると簡単に抜け落ちてしまうような、そんな感覚がするのです。それは多分ロ-マ字入力の「日本語を頭の中でいちいちロ-マ字に変換する」余計な思考プロセスからきているものと思われます。日本語を書いてるのに、それとは違う何か別の記号を書いているような気分になるんです。

 詞を、詩を書くのに、それじゃあなんだかいけないなあと。もっとこう、日本語をかみしめる、ひらがなをかみしめる、そんなプロセスの仕方はないかなと。そして選んだのが親指シフトだった……という。

 ちなみにこの記事、すべて親指シフトで書いています。ポメラで文章を書くことがないので、これはこれでなかなか大変です。たまに手元の親指シフト表をちらちら見ながら書いております。「ぱ」行とか、小さい「ぁ」行とか、覚えづらいんですよ。表と画面とをにらめっこしながら、日本語をかみしめて書いております。

 折角ですから、ブログの記事もポメラで全部書いてみましょうかね。

 あと関係ないけど、ポメラの漢字変換の精度だけは何とかしてください、ほんとに。