瞬間の詩 120~

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自分の殻がいかにキレイかをアピールして
そんで金をもらう生き物さ
ダンゴムシみたいで笑っちまうよ

ひっくり返しゃどいつもこいつも似たようなのに
個性だ自由だ喚き散らして
もっと簡単に
「自分が好きです」と言えばいいものを

冗談みたいにテカテカさせて
アゴ引いて生きてるわけさ


少し遠くに行ってみても
気持ちは治せるものじゃない
雲が時間を覆うような
未発達な感情で息をする
スーツは嘘にまとわれて歩き
子供は小さなギターを抱えてる
朝がいつまでも苦しいから
日暮れはこんなに美しい


なにかを語ろうという
空っぽの自分
嘘つきすました指先でもって
身近な心をかいつまむ

なにもないからなにかを借りて
なにかをいいたくなる病気です
なにもないから同じことを
同じように反復しつづける病気です

永遠に二次元で
たゆたう糸のような
流動する矛盾
不在の怠惰
世界の嘘


夜中の街は誰もいないので好きです。なんだか時間が止まって、この世の人間全てがどこかにいなくなってしまって、自分ひとりだけが存在しているような感覚。自分だけが「永遠」に閉じ込められているような感覚。
ひたすらに自由だと思える時間。ずっとこのままだったらいいのに。


「いつまで生きていたいか」という問いに、
「死にたいと思うまで」と答えられる現状が、
割と一番幸せなのではないかと思うのです。


簡単な言葉で
誰かに自分のことを分かってもらおうという浅薄さ

幸と不幸とが行ったり来たりする心だから
立体のグラデーションの中にいる心だから
その枠ごと渡して誰かに見てもらうには
あまりにも大きすぎると思うのです

他の人がたまたま同じような色だっただけで
自分もそうでなくては と思ってしまう

箱庭にいる方が 平和で幸福なのです


生きている中で勝手に出される問題に
他の人はさっさと答えを書いて提出しているところを
自分だけがわからずに答案用紙を持ち帰り
延々と終わらない宿題を抱え込んでいる

それを解くのが人生の目的であるかのような
実にしまらない生き方をしている気がする

誰もいない部屋が寒いのと同じように
モノしかない場所は触っても
奇妙な感触とうすら冷たさしか残らない

嫌いなものが多すぎる


言葉で人に伝えようとすればするほど
伝えられない言葉の山が頭にもたげてくる
遠慮なくぶちまけるのはとても簡単なんだけれども
汚物が人類を救ったなんてことは歴史にもないわけで

きれいなことは怠惰だろうか
正しいことは卑屈だろうか
歩むことは嘘だろうか
伝えることは間違いだろうか