曇り空の内側で

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曇り空 あっという間に
夕暮れをつつみこんで
一日が終わる時間を
あいまいにしていく

コーヒーをそそいだときの
たちこめる香りのように
いつからか知らないことも
わかる気がした

ねえ 違う場所 違う人になって
生きていたら 今頃どこで何をしてるのだろう

どんな風に人々が歩いてきたのか
僕にはまだわからないけど
いつも通り にこやかに笑ってみせるさ
まあるく囲まれた この内側で

曇り空 光をぼかす
オレンジに縁どる街
太陽がいやな顔して
けだるく落ちていく

テレビとか音楽だとか
つけたまま聞きながして
本当に大事なことも
忘れてしまう

ねえ もしも今 少しだけ昔に
戻れたなら 今頃どこで誰と過ごすのだろう

とりとめない思い出や 別れの涙も
僕らはすぐ忘れてくけど
変わりながら今もなお 確かにいるんだ
真白い惑星の その内側で

足跡をなぞるより 残したい

どんな風に人々が歩いてきたのか
僕にはまだわからないけど
いつも通り にこやかに笑ってみせるさ
まあるく囲まれた この内側で


唄のぬけがら
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