花の涙

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白い五月雨が舞う頃に
影は目のように落ちて
ただ悲しいこんな日は
塗れた花も静かに咲くでしょう

胸に抱き留めた後悔を
塞ぎ止めるには青く
雲滴る水滴が
黒い髪を惨めに染めていく

ああ過ごした場所はいつでも
笑いあった道の隣で
置き忘れた傘も知らずに
長い時を育んできたの

折れた枝たちが望むのは
音のない土の下を
小さいまま生きること
夢の中で優しく微笑んで

白い五月雨が降る夜は
何もかもここになくて
今確かに言えるのは
一人空を漂う孤独だけ

そぞろ振り向いた人並みに
細い冷たさを抱いた
その合間に黄昏て
風の音を背中で聞いている

ねえ教えて どこに行けるの?
ねえ私の愛を数えて
この暮らしも溶けてしまえば
同じ道を歩けるのでしょう

白い五月雨が舞う頃に
影は目のように落ちて
ただ静かに咲いている
塗れた花の涙を汲んだ夜